日本がワールドカップに出場したほうがいい理由

海外旅行をする時にサッカーの話題がコミュニケーションツールとなるからだ。それも発展途上国を長距離バスとか列車とかで現地の人々と触れあいながらの旅だと特に「サッカー知っていて良かった」と思うことが必ずある。それほど詳しくなくても良いと思う。日本人選手の話題だけではなかくて話を広げてマラドーナのダイエットのことや髭のことまで加えると、たぶん2、3時間は会話が持つ、かもしれない。
トヨタやソニーなんて企業のこともそれりに話題になる。「プリウスってのはすごいらしいね」なんて話のほうが、日本の歴史や政治の話題よりも多い。中には近代自動車を日本の企業だと思っている人もいたり、ジャッキーチェンを日本人だと勘違いしている人もいるけれど、それはそれで話になる。
その前に、アフリカに行くと、たぶん「チャイナ」と声をかけられることのほうが「ジャパン」より多いと思う。ボクの経験だと「チャイナ」「コリア」「ジャパン」というセットで呼びかけられる。「ま、そのどれかだろう」なんていう彼らの大らかさなのだろうけれど、それと「アジア人は区別つかん」ということでの工夫なのだろうけれど、やっぱり知名度的には「チャイナ」に負けている。
中華料理店の数も多いし、衣食住に関する商品も圧倒的に中国製が多い。それにODAの予算のかけかたも中国のほうが巧いということもあるのだろう。
毎回毎回「チャイナ」と呼ばれると「いい加減にしろよ」と思ってしまう。その度に「I am Japanese」と言わなければならない面倒くささで半キレ状態になる。「オレのどこが中国人だよ」なんて日本語で言ってしまったり。
そんなアフリカ諸国での人気のスポーツはサッカーなのだ。どんな地域でも、例えば電気水道なんてインフラが整備されていない地方に行ってもサッカーをしている。サッカーボールではなくて手製の布ボールだったりするのだけれど、大人から子供までスポーツと言えばサッカーなのだ。
だからワールドカップの視聴率もすごいと思う。たぶん100%なんて数字になるのだろうと思う。日本では信じられない数字なのだ。そんなワールドカップに日本が出場する、そしれ予選を突破なんてすると「日本はすごい」なんてことになる。プリウスの凄さやハイビジョンテレビの凄さなんてのは分からなくても、ワールドカップに出場いして勝つということのもの凄さは分かっているのだ。
今回の日本の活躍もアフリカではきっと「日本は凄いぞ」「本田、ビューティフル」なんて人々の心に刻まれたに決まっている。そしてどかかで日本人に、いや東洋人に会ったとしたら「ジャパン、フットボール、ホンダ、オカダ、ナガトモ」なんて片言で話かけるに決まっている。というか、もう彼らの「日本人はスゴイ」という気持ちは、日本人を神格化して、なにがなんでも会いたいという気持ちにまでしているかもしれない。
そんな彼らの神としての日本人をバスの中や列車の中で見つけようものなら「ジャパン、フレンド」と握手を求められ、中には涙を流して「ああ、テレビで見たジャパンだ」と抱きつく人もいるはずだ。そして延々と日本サッカーの素晴らしさを語るに決まっている。
もしも今回のワールドカップで優勝でもしようものなら、もう日本人なら誰でも英雄として迎えられるに決まっている。そしてバスや列車の中だけでは物足りず「父に会ってくれ」とか「病気の母に一目だけ」なんてことになるかもしれない。そしてご飯を食べていけとか泊まっていけとか、うちの娘をもらってくれ、なんて話しになるかもしれない。
ま、そこまでならなくても、日本人を見ると「あ、あれが日本人ね、やっぱカッコいいわね」なんて、女子高生がコソコソと話をしたり…。
ということで、ワールドカップに出場するととても旅行がしやすくなるし、旅行だけではなくてODAとか外交もやりやすくなるということなんだ。たぶん。
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