豊橋のタクシー

豊橋にはタクシー会社が四社ある。東京四社(大「大和自動車交通」日「日本交通」帝「帝国自動車交通」国「国際自動車」)のように豊橋四社なんて呼ぶことはない。
保有台数200台の東海交通、107台(豊川、田原、蒲郡営業所を含む?)の豊鉄タクシー、45台のヨシダ交通、40台のキングタクシーの四社だ。豊鉄タクシーは豊橋営業所だけだと、50台弱ということなので、東海交通を除く三社はほぼ同じ保有台数、そして売上なのだろうと思う。
東海交通と三社、なんて感じがする。それは単に保有台数だけではなくて、例えば豊橋タクシー協会も東海交通内にあって実質東海交通が管理指揮しているのだし、駅のポーターも協会からの派遣ということなのだろうけれど東海交通の中の人たちである。
夜の松葉通りに待機出来るのは東海交通の車両だけ、なんてルールも結局はその保有台数での解釈からだろうし、そのルールがなければ広小路商店街は東海交通だらけで他社がのスペースがなくなるなんて事態になるのだろうから、ドライバーたちも納得済みという感じを受ける。
たぶん、いろいろなことがあって、そういうことになったのだろうし、ルールがなくなったとしたら弱肉強食で小さい会社のほうが不利になるというということなのだろう。
『とりビータクシー』
最大手の東海交通は待機場も多くて、どこにでもいて、どこにでも来てくれるというイメージがある。例えばスーパーや病院なんてところの公衆電話には必ず東海交通の広告がある。他の三社が同じようなことをしても保有台数が少ないので、結局は「時間がかかる」ということになってしまって、顧客管理できなくなるのだろう。そして結局は「東海交通さんが早い」ということになる。20分なんて待ってくれる悠長な客は少ない。
「どこにでも」ということで配車が多い。一番忙しいのも東海交通だろう。その分「足(ノルマ)」も高い。三社より10万円ほど高めに設定されている。細かい(短い)仕事が多いにしても、そういう仕事をこなしているということは道路事情に詳しいということだろうし、情報量も多いということなのだろう。ハンドル時間も長くなるので、ドライバーの知識も豊富になる、なんてことなのだろうから(一概に言えないし、運転手にもよるのだろうけれど)、「とりあえず東海」なんて、「とりビー」的な存在なのだ。
『ホッとタクシー』
豊鉄タクシーは豊橋鉄道の子会社、名古屋鉄道グループなので、東海交通よりは実質「大手」ということになる。名鉄ブランドは全国的なのだろうし、豊橋へ来る人たちは「いつもの名鉄タクシーがある」という安心感をおぼえるのだろう。
あのチェレステカラーのカラーリングはビアンキ好きにはたまらないだろうし、そうでない人もオシャレな印象を受けるだろう。ブランド力を生かして名鉄系などの広範囲の顧客を持っているという強みがあるし、三社よりも、あるいは王者東海交通よりも、設備投資は早いし最新のようだ。そういったことで「ホッとタクシー」なのだ。
『あんぜんタクシー』
ヨシダ交通は、のんびりゆったり、という感じがドライバーとしてする。豊橋市内あるいは近郊のタクシー運転手の転職先(「わたり」なんてジャーゴンを使いますが)もヨシダ交通が終着駅のようだ。
東海交通を退職した人は三社に転職(わたり)する。そのあと、例えば豊鉄タクシーからヨシダ交通、あるいは、キングタクシーからヨシダ交通、なんてことになる。逆はとても稀だ。「忙しい東海交通なんて行けないよ」なんてことなのか、それとも王者東海と一度や二度もめたことがあって嫌いな班長がいたりするのか…?
そんなこともあって平均年齢が一番高いのもヨシダ交通だろう。ヨシダグループなので、タクシー運転手をリタイアしたあとでもビルメンテナンスの系列企業に入社できるなんてメリットもあるかもしれない。タクシー単一企業ではないということからそれほど利益をタイトに追求しているということではないのだろう。
そんなこんなで「あんぜんタクシー」なのだ。
『ウルフタクシー』
最後にキングタクシー。神野新田に会社があるという理由からなのか、西駅方面に強いというイメージがある。東駅での待機車両よりは西駅のほうが多い。顧客数もそちら側なのだろう。西側の工業地帯、神野や明海の企業へのセールスを行っているようでキング指名のサラリーマンも多い。
キングというか「ウルフ」なんて人が多いようにも感じる。要するに一匹狼的な運転手が多いように思う。ハローワーク経由でキングタクシーに応募する人がいるのだろうか?ハロワ経由の応募も東海交通がトップで、その次に豊鉄なんてことなのだろう。それではキングは、というと、調べたわけではないけれど「わたり」が多いと思う。
人間関係に倦み疲れてタクシー運転手になったのだけれど、それでもそういう関係はあって、また転職することになる。その行き着く先がキングタクシーなんだろうと思う。
その一匹狼、孤高さがあの黒のラインに象徴されている。キングなのはドライバーの心なのだろう。そういうことでやっぱり「ウルフタクシー」なのだ。
なんて豊橋のタクシーのインプレッションを書いたのだけれど、会社イメージよりもどんな運転手にあたるかによって、ずいぶんと違ってくるのだけれど…。まあ、それでも接客業として評価するならば、タクシー運転手のレベルはそれほど高くないと感じたりする。横乗り(研修中)に接客の研修もあっていいのではないかと考える時がある。コンビニとかファミレスとかで…。「おい、運ちゃん」なんて嫌な客も多いのも確かだとしても…。
個人タクシーは今回省略しましたが、経験と実力がなければ個人タクシーになれないので、運転手のレベルは高いと思う。ちょっと車が古かったりするけれど…。
豊橋のタクシー
会社情報(会社概要)
豊鉄タクシー株式会社≪会社案内≫
ヨシダ交通
会社概要

5件のコメント

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    求職者さん、どうも。
    えっと、いまもこの記事の感じなのでしょうが、また改めて書いてみます。時代も変わったことだし、ボクも変わったことだし。

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    タクシードライバーへの転職を考えていますが、どのタクシー会社が働きやすいか、田原様のご意見をおうかがいしてもよろしいでしょうか?ご回答をいただければと思います。よろしくお願いします。

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    マツさん、こんにちは。
    「十分な収益」というのにも、個人差があって、例えばボクなどは手取り20万円でも十分だと考えているんですが、その基準だと「得ることが」できます。
    まあ、勤務時間=収入 って感じもしますから、得たければ長く働く、それなりで良いのならそれなりに、ってことで、時間も空間も自由なのがこの業界、そして豊橋のタクシーだと思います。
    稼ぎたければ名古屋とか東京とかでやるのも面白いと思っていますし、ボクもお金が目的ならそうします。
    最近は東京進出を考えていたりするんですが。まあ、タクシー業界で言えば、メジャーリーグに行くみたいな感じだったりするし…。
    でも、まあ、住み馴れた、そして住みやすい豊橋で、というのならここでも、そう考えています。

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    こんにちは。
    最近、こちらのhpを拝見し、参考にさせていただいております。
    というのも、今、まじめに転職を考えております。年齢も40代後半ですので、なかなか思い切ったこともできません。
    そこで質問です豊橋のような、地方都市でも十分な収益が得ることができるのでしょうか?
    お忙しい中申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

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    東海交通の面接を受けて落とされました(爆)

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