豊川市公用車パンク事件で考えたこと

「人が人を想う季節が、やって来た」のだけれど、年賀状だけではなくて、お歳暮や歳末助け合いなんて人を想う季節でもある。人の哀しみが浮き彫りになる、というか、いろいろな格差がハッキリとしてくるというか、そんな季節でもあるのだろうね。
歳末助け合いだけではなくて、例えば24時間テレビなんかでもけっこう寄付は集まるもんだと感心する。人は人を助ける優しい気持ちを持っている、のだけれど、その対象となる人ってのは、自分たちの目の前にいる人たちではなくて、ずいぶん向こう側にいる人たちだったりする。会ったことも見たこともない人だったり、海外の、それもアフリカの人だったりする。
アパート近くにある“缶ビンボックス”(空き缶空き瓶を回収するために豊橋市が設置している箱なのだけれど)に捨てられているアルミ缶は、ほとんど毎日のように設置主の市役所の人ではなくて、ホームレスの人たちが入れ替わり立ち代わり収集に来る。
早朝「バタン、カラン、グシュ」という音で目覚める時もある。誰もそのことに対して文句を言う人はいないし、「うるさい」と怒鳴る人もいない。ボクもそれはそれでいいと思う。
1キロ100円程度(最近はもっと安いかもしれないけれど)で小池町のホソヰさんで買い取ってもらうのだろうけれど、その1キロというのは350ミリリットル缶(1本が15グラムとして)約67本分というかなりの数になる。寒い季節になると更に収集が困難になる。コンビニのおでん一つ食べるために、空き缶50個ほど集めなければならないと考えると気が遠くなる、そう思う。
その空き缶は、あの缶ビンボックスという収集箱に捨てられた時点で所有権は市に移るのかもしれない。そしてその資源が市の収入になるかもしれないと思う人もいるだろう。それでも誰も文句を言う人はいないし、「泥棒」と追い立てる人もいない。
資源ごみ持ち去り禁止条例というものがあって、もう何年か前、例えば熊本市なんかではそのことが問題になっていた。違反した者には罰金20万円という厳しいものだった。その条例施行に反応したのがホームレスの人たちとその支援者たちだった。
条例は施行されたのだけれど、資源ごみの日その前夜から空き缶を収集するホームレスの人たちは減らなかったらしくて、結局熊本市は資源ごみ持ち去りパトロールを始めた。その予算が年間500万円ほどだったようで、条例に反対する人たちはそのことについても問題視していた。
他にも回収業者への数億円もの業務委託料に対しても、そして回収した資源ゴミの売却費が市の収入にならずに委託料の一部になっていたという問題に対しても浮上したようだ。

同署や市によると、軽トラックは10月から施行された市の条例に基づき、資源ごみが持ち去られるのを防ぐためのパトロールなどに使われている。

豊川市の事件も熊本市と同じように、条例に抗議する行動かもしれないね。資源ごみ持ち去りをパトロールするために軽トラック10台も購入しなければならなかったのか、と思ったりもする。そうすることによってどれほど市民に利益があるのか、ということも疑問だし。
ごみ利権というなにかアンタッチャブルな問題が絡んでいるということもあるのだろうし…。資源ごみで生きているのはホームレスの人たちだけではないのだろうし…。
起こるべき起こった事件なのだろうけれど、「助け合い」の精神で解決しようとすれば、資源ごみ回収事業の仕組みを少し変えるべきなんだろうと思ったりする。例えばその回収事業にホームレスの人たちの協力を依頼するとか。回収や選別だけではなくて、パトロールにも協力してもらうとか。というか、そういう利益に関係する部分には既得権があって、やっぱりなにがなんでも厳しく取り締まって排除してしまいたいというのが、公共の助け合いなのかもしれないと思ったりしている。
歳末・海外たすけあい、なんてCMが流れ始めた。人が人を想う季節らしい。ま、せいぜい目に見えない相手を助けて、見える人たちは見殺しにすればいいさ…。それがこの国の援助、助け合いなんだからさ。なんて考えている。
アルミ買取価格表
カレーライス
久しぶりに胃と歯の調子がよかったのでカレーを食べた。タケノコとゴーヤ入り…。

2件のコメント

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    牟呂さん、こんにちは。
    そうですか。
    こっちは気を使っているのでしょうね。夜中や早朝には聞こえてきません。
    先が見えないということからの気弱さなのかもしれないと、考えていますけれど。

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    東京は捨てる人が夜中や早朝にガラガラグシャグシャやるから、僕が一喝してました。 
    非正規雇用になってからは、なんだか気が弱くなって…。 

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