女タクシードライバー

わかばとかエコーを吸っている人をよく見かけるようになった。少し野生のにおいがする。そういえば祖父がわかばを吸っていた。
タクシードライバーの喫煙率は高い、と思う。長時間労働や不規則な生活が刹那的な生き方を好むようになる。健康というよりも破壊的なものを嗜好する。酒やギャンブルも同じで、それで身を持ち崩す人もいる。あるいは崩してタクシードライバーになった人も多い。
昨夜、TBS月曜ゴールデンドラマ「女タクシードライバー事件日誌5」を見た。余貴美子さん演じる主人公・春成衿子もタバコを吸っていた。主人公は夫を亡くしてタクシードライバーになった。喫煙習慣もそれを機会に始まったのだろうと思う。長時間労働や不規則な生活だけではなくて、絶望が欲望を求める。破壊、自虐、そして死も欲望として存在する。生きている証明として痛みが在る。
女性ドライバーが増えた。豊橋市内でも増えたように感じる。女性のほうが優しい運転をするかというとそうでもないとしても、あるいは女性のほうがきめ細かい接客をするかというとそうでもないとしても、無愛想なオジさん運転手よりは女性ドライバーのほうを、ボクだったら選ぶ。
女性というだけで安心感があったりする。旅館の仲居さんが男性だったら嫌なように、あるいは、銭湯の番台がオヤジだったら嫌なように、あるいは、もっといろいろなことで男性より女性のほうが良いという場合が多いように、男性より女性ドライバーのタクシーに乗りたい。それは差別なんてことではなくて…。
オジサンドライバー、タバコや酒、おまけに加齢臭まで充満している車になんか乗りたくない、きっと多くの人がそう思っているに違いない。特に若い女の子は乗りたくないというよりも、怖いと思っているに違いない。
でも、女性ドライバーというだけで、男性的、あるいはそれ以上の野性的なドライバーもいたりする。タバコや酒、加齢臭はないけれど濃い香水の匂い…。助手席を見れば競馬新聞に投票券なんて女性ドライバーもいたりする。お客様の中には女性ドライバーを避ける人もいる。理由はブレーキの回数が多かったり、落ち着きのない運転だったりするからだそうだ。
女性ドライバーすべてがそうだということではなくて、きっとそのお客様がたまたまそういう運転の人に当たったからだと思うのだけれど…。
いや、女性なのにタクシー運転手を職業に選択する時点で、男性的な、それ以上の強さがあるのではないかと思ったりもする。いや強くならなければという並々ならぬ覚悟があるのだろうと思う。それは鬼龍院花子のように「なめたらあかんぜよ」みたいな生き方というか、死ぬ気でというか、その死を一度覚悟した人の強さというか…。
女性ドライバーの喫煙率が高いのはきっと、死を一度は覚悟して、それでも子供のためとか家族のためとかに働かなければならなくて、そして命を張って働いているからだろうと思う。「死んだら死んだで保険が入るだら」なんて開き直って、タバコと酒とギャンブルをすることによって女を捨てて男になろうとしているのかもしれないと、思うのだけれど…。
違うかもしれないけれど…。
柱第一公園のイチョウ
ドラマでは殺された安部さんも長嶋運転手もリストラされてタクシードライバーになったそうだ…。

4件のコメント

  • blank

    >茶釜さんへ
    こんにちは。
    そうですね。ま、自信と自負と、そういったものがないとなかなか言えない台詞ですよね。
    「これしか能がないもんで」のあとに「お前には出来んだろ」なんて台詞が続くのでしょうが。

  • blank

    こんにちは。
    先日ラジオを聴いていたら旦那さんが40年ダンプの運転主で現在は年金暮らし、奥さんが勤続25年のタクシードライバーで現在も、されている方が出演されてました。
    奥さんは「これしか能がないもんで」と、さりげなく、おっしゃってましたが、素晴らしい言葉だと思いましたね。
    「これしか能がないもんで…」

  • blank

    ジュンさん、こんにちは。
    忙しいというか暇というか。何をする気にもなれないというか。仕事には出ていますが、それもなんだか面倒だったりします。
    ありがとうございます。
    名古屋のこととか書いてみたいのですが…。

  • blank

    田原笠山さんこんばんは。最近、更新されていないので気になっています。
    お仕事忙しいからですか?体調を崩されたわけではないですよね??
    いつも楽しみにしているので、ぜひまた色々な記事や写真を見せてください!
    今日は一段と冷えましたね。お体には十分お気をつけください。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA