ほの国百貨店で考えたこと

ほの国百貨店が豊橋丸栄から名称変更してオープンして2週間。どうなんだろう、あまり変わらないような…。外装も同じだし、「MARUEI」なんて看板がなにか郷愁みたいなも古めかしさ、レトロチック、あるいはワビサビみたいなものを感じさせる。

そんなデパート事情なのだけれど、豊橋マルエイが閉店すると困ったことになる。豊橋に唯一残されたデパートなのだ。その文化的施設ということでの存在意義もある。子供たちがデパートという施設を身近に感じることが出来るということはそれだけで存在する意義がある。
豊橋マルエイが閉店してはいけない理由

なんて2年ほど前に書いたのだけれど、文化遺産的に百貨店を存続させるなんてことは、やっぱりあまり意味がないことなのかもしれない。ボクたちの消費行動ってのは、ネットが空間を破壊して、距離や時間を拡大して消費活動を行うようになった。

「値段」よりも「接客方法」に問題があるという人もいるだろう。特に若い世代にその傾向が強いのだろうと思う。ネットショッピングがこれほどまで売り上げを伸ばしたことを考えると、店員による接客よりも口コミやレビューを多くの人が求めているのではないだろかと思う。ボクもそうだ。買い物をするときには「値段」よりも気になるのは「口コミ、レビュー」だ。売る側(店員だけれど)は時として店側の利益を「良い商品」にしてしまう。店員だけの「口コミ、レビュー」の信憑性が薄くなったのだ。

なんてことがやっぱり百貨店の売上減少になっていることには間違いない。地方の百貨店(ほの国百貨店のような)に行くと、中高年というよりもどちらかというと老人という人たちが多い。移動できない人たちなのである。(実際の移動や、ネットによる移動)買い物難民という言葉があるけれど、そういう人たちに近い人たちなのかもしれない。さらに高齢化が進むと、百貨店も宅配をするようになるかもしれない。外商部の人たちは現在でもそういう状況なのだろうけれど。
これからの地方の小売業は、お金持ちである中高年、買い物難民である高齢者をターゲットに絞り込むことになるのだろう。もう若者は百貨店なんてものに行かない。人口の高齢化と若者の貧困化するこの国で百貨店形式の小売は、スーパーマーケット化・コンビニ化しなければ生き残れない。

百貨店大手が主要都市で相次ぎ大規模改装に乗り出す。横浜ではそごう横浜店が10年ぶりに全館を、高島屋横浜店も来秋までに約150億円かけてそれぞれ改装。名古屋や大阪でも各社の基幹店が一斉に工事に入った。百貨店市場は景気低迷や若者離れなどで15年連続で縮小しており、各社は生き残りをかけ主力店の競争力を高めていく。
百貨店、大都市で改装ラッシュ 若者離れに危機感  :日本経済新聞

若者は百貨店を離れてゆく。というか、すでに離れてしまっている。子どもころ、八階のレストランでご飯を食べて、そうして屋上の遊技場で遊ぶ、なんてことがとっても楽しみだった。そんなボクたちがおとなになって百貨店に行くと、あの頃のトキメキやワクワク感なんてものをまったく感じることが出来ないでいる。
モノを選んで買うだけならば、ネットに勝てるわけがない。ネットは万貨店なのだ。もし生き残れるとしたら、たぶん、あの頃ボクたちが感じたwktkを感じさせられるかだと思うのだけれど。
穂の国百貨店

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