期間従業員求人事情

トヨタ自動車の期間従業員募集が終わったことは数日前のエントリーで書いたのだけれど、。他の企業よりトヨタだけがなぜ早く終わるかというと、調整分は関連企業への「協力」という名目での出向が存在するからだ。「出向」というとカッコいいのだけれど内実は「強制労働」のようである。
ボクがいた頃でもトヨタ九州、セントラル自動車からの出向の人たちが多数いた。そういう工場勤務で同じようにライン作業をしている人たちは良いとしても、中にはトヨタすまいるライフからの出向者なんてのもいて、愚痴をこぼしているのを聞いたことがある。メグリアや販売会社からもいただろうし、それは御上からの命令なのだから逆らうことができない「協力」に違いない。
協力してくれる系列企業の労働者が多数いるということで、使い捨ての期間従業員の在庫を持たなくていいということだ。まるでトヨタのライン作業を見ているようで、要するに多車種混流ライン、JIT生産方式、それを人事にも踏襲していて、利益のためには人も車も同じ「モノ」として考えているのだろう。
そんな血も涙もない人事なんてのは、なにもトヨタだけではなくて、この国の大多数の企業は似たり寄ったりなのだろうね。
ただ多車種混流ライン、JIT生産方式で人事というラインを回せない企業も多くて(それだけが理由ではないのだけれど)、まだまだ期間従業員はこの地方では募集している。
例えば
武蔵精密工業株式会社、東豊製菓株式会社、アイシン・エイ・ダブリュ株式会社、株式会社KYOEI ARACO、プライムアースEVエナジー株式会社なんて企業が募集しているし、派遣会社経由でもかなりの数の募集があるようだ。
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相変わらず九州なんかでは求人数も少ないようで、最低賃金も640円台なんて低賃金。それに比べればどういう就労形態であっても時給1000円くれるのなら条件の良い職場なのかもしれないね。時給645円で何年、いや何十年働いても1000円なんてならずに、それどころか正規社員としての登用もない状況なんてのは、まるで奴隷みたいなもんで、こういう問題に人権団体も声を上げてもらいたいもんだと常々思う。
国家主導で格差の固定化が推し進められているとボクが何度も書くのはこういった事情があるからなんだ。700円×20日=14万円、これぐらいで生活している人たちが、九州にはかなりいるんだけれど、その金額ってのは生活保護受給者よりも低かったりで…。それじゃあ、働くのを止めて生活保護か、それも難しそうだから、刑務所で暮らしたほうが楽だろうし、見つからなきゃ儲けもんで…なんて思うほうが正常じゃないかと、最近は思うのだけれど。

4件のコメント

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    家族ということを考えた時に、市外・県外に転勤なんてことになると、独身の方よりは家族、子どもの問題になると複雑になるでしょうね。
    逆に、移動転勤があるほうが良い、なんてこともあるでしょうね。職場が合う合わないなんて人もいますしね。
    今回書いたのは、そういった企業内移動ではなくて、半強制的に移動させられることについて、誰も何も言わない、それどころか「そんなの当たり前じゃん」なんて考える人のほうが多いということへの疑問からです。
    優先的地位の乱用、とまではいかないにしろ、個人的にはそう感じる方のほうが多いのではないでしょうか。それが「強制労働」と表現した意味です。
    まあ、多くのトヨタマンはそのことを「普通のこと」だと考えていると思いますよ。それを普通と考えること自体、ボクはおかしいと思うのですよ。
    普通は「普通」に思うのかもしれませんが…

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    実際経験した中で言うと
    朝に出勤していきなり他の組への異動を告げられたことはありましたね。
    いくら同じ工場内であってもこれはちょっと問題ではないかと当時は思いました。
    同じ社内であれば問題ないと書いたのはどんな会社でもそれ自体は避けて通れないといった意味合いです。
    職場が変わるのが決まっている場合少なくても一定の期日までにその旨を伝える必要があるとは考えます。

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    同じ社内での移動もケースバイケースでしょうね。いくら「普通にある」としてもです。
    「手当が付くからと喜んでいる」と、子会社の人が親会社の人に言ったことを例として挙げることは強引でしょうね。
    子会社への応援を「そこまで問題ない」と考えるのは傲慢だと思いますが。そういった精神構造こそが問題で、九州から愛知へ親会社の命令で転勤しなければならないなんてのは、どう考えても不条理だと思うのですが?
    逆のケース(愛知から九州や仙台)は稀ですよね。まあ、あったとしても、その子会社へ行くのですからね。
    いずれにせよ、職場環境が変わる、生活環境が変わるなんてのことは、かなり負担を強いられると思います。
    まあそれでも、いつ転勤になるか分からない派遣社員よりはお気軽かもしれませんが。

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    同じ社内での応援や異動は基本的に問題ないでしょう。それはどこでも普通にあることですので。
    製造に携わる完全子会社からの(への)応援もそこまで問題ではないでしょう。ちなみに応援に来てた方には手当が付くからと喜んでる方も居ました。
    やはり一番問題になるパターンは自動車製造と全く関係のない(資本関係もない)協力会社や取引先からの応援になりますね。結構前だけど某電機メーカーの方を見かけたことがありました。
    資本や取引からみて関連の薄い他社への応援を法律で規制すればいいと思うけど今の政府じゃ言っても無駄でしょう。

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