花火

地震で起こされたいつものようではない朝。その数分後に、そのときにボクは夢と現実の間を彷徨していたんだけれど、花火の音に飛び起きた。Kさんに言ったように少し「小躍り」しながら窓のほうに行きカーテンを開けた。そうして「戦争が始まった」なんて思ったんだけれど、窓の向こうの街はいつものような朝だったんだ。いや、北朝鮮からミサイルが飛んできていたとしても、よほどのことがない限り「いつもの朝」の風景が広がっていたんだろう。けたたましいサイレンの音になにかの異常を気づかされるまでは。
カザンチスの娼婦の母乳の味。
ミグ戦闘機を見た夜のこと。潜り込んだ私娼窟の痩せこけた女の肋骨、その先端の乳首だけが生きていた。
北からのミサイルは飛んでくるのだろうか。というか、花火の音が不気味に響き渡る。おそらく多くの人が不安を感じながら、その音を聞いていたのだろうし、少なからずの人が「こんな時期に無神経な」なんて忌々しく思ったに違いない。そして何人かはボクと同じように「戦争が始まった」なんて飛び起きたに違いない。
さてと、寝るか。きっと明日も花火の音に目が覚めるのだろうけれど…。
花見2013年

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