外国人実習生制度の拡大について
外国人実習生制度が低賃金労働者制度に変わっている。そして、一部の外国人実習生は、劣悪な労働条件や低賃金で働かされている。
実習生制度という人身売買
「人身売買」なんて過去に指摘されている制度を拡大する理由は、結局「政府が建設現場の人手不足に対応するため」だ。だとすると、国家による大規模な不当労働ではないのだろうか。
外国人実習生制を拡大…政府検討 : ニュース : ジョブサーチ : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
広島で昨年三月に起きた中国人実習生9人殺傷事件は、そういったことが背景だ。「人手不足」の業界に、この国の労働者では耐えきれない条件をもって雇用するのだから「人身売買」なんて言われてもしかたない。時代劇の世界ではボクたちは知っている。貧農の娘が売られてゆく、水戸黄門でもおなじみのシーンを思い出させる。
中国人実習生9人殺傷事件 広島・江田島の現場を歩く。カキ養殖は中国人実習生が支える現実(1/3ページ) – MSN産経west
技能実習ではなく出稼ぎ
ここ豊橋や田原にもその制度によって来日している中国人やベトナム人がいる。多くは農家で「技能実習」をしている。その実習が果たして帰国後の彼らの役に立つかということは別にして、母国よりは高い賃金なのだから出稼ぎとしては満足しているらしい。
要するに「技能実習」なんてことよりも「金目当て」なのだ。
「人手不足」に対応するための労働力募集ならば、なにも「技能実習制度」なんて分けのわからないものにしなくても、ハッキリと「期間従業員募集」と言えばいいのだ。応募するほうも「技能習得」なんて目的ではなくて「金」なのだから。彼/彼女らの故郷に牡蠣養殖が存在するのか?広大なキャベツ畑が存在するのか?帰国後その職業に就くのか?
外国人実習生制度の拡大
その人身売買制度、いや技能実習制度の期間をこれまでの3年から5年に拡大するということが検討されているらしい。どこかで聞いたような話だ。国がすることは常の同じシナリオだ。最初は短く、3年、5年、そのうち無期限なんて相場が決まっていて、有期雇用の上限だって、1年、3年、5年、今度は10年なんてことになる。
大規模な国家プロジェクトと犠牲
東京五輪を含む大規模な国家プロジェクトが、一部の人々にとっては犠牲を強いる要因となり、格差の拡大になる。それはなにも技能実習生だけではなく、この国の人たちも同じだ。プロジェクトの成功を追求するために、一部の人々が労働条件の改善などの権利を犠牲にすることがあるということだ。
大規模な国家プロジェクトが成功する場合、その恩恵が国内の全ての市民に均等に行き渡るとは限らない。むしろ、格差はが拡大し一部の人々が大きな利益を受ける一方で、他の人々が犠牲になる可能性がある。
非正規雇用と若者の未来
国家プロジェクトという経済発展も同じだ。特に自動車産業での非正規雇用は、若者にとって不安定な職業だ。それが将来の計画や安定した生活を困難にした。また、低賃金が格差を拡大した。
労働期間と人生への影響
労働期間が短期間である場合、労働者はスキルや資格を獲得するために限られた時間しか持たず、その後のキャリアに影響を及ぼす可能性もある。また、長期間の非正規雇用は、将来の不確実性を増加させる要因となる。
日本の非正規雇用で起きた悲劇が、技能実習制度で起きようとしている。非正規という使い捨ての若本だけでは足りず、技能実習生という海外の若者も、蟻地獄へと誘い込んでいる、のではないのか。
社会的な公平性や労働条件の改善を推進し、若者にとって持続可能な未来を構築するために、政策の見直しや対策の検討が必要なのだ。そして、外国人実習生制度にも同じことが言えるのだ。それが、この国の使命である。世界貢献なのだ。
NHK News7 外国人技能実習生制度の期間延長