豊橋漂流(4)

わかれうた……
道に倒れて名前を呼び続ける誰かがいる中島みゆきさんは幸せかもしれない。
飲んでも飲んでも酒に酔えないのは、酒が強いわけではなくて、この街でいつもなにかに警戒しながら生きているせいだろうと思う。どこかでブレーキをかけてしまう。安全装置が作動する。ひとりで歩いている。誰もいない部屋が恋しくなる。書きかけのメールがまたひとつ増える。
ひとり上手……
あなたの声のする街角に帰る家がある中島みゆきさんは、きっと、それでも幸せなんだろうと思う。
豊橋漂流、どこにも声がする街角がない。どうしてボクはここにいるんだろう。
豊橋漂流(4)

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