迎春1dayフリーきっぷでセントレア

今時の若者はさとり世代というそうだ。
というか、若者だけではなくて国民の多くがその「さとり世代」であるように思う。タクシー業界なんてのは悟った人がかなりいて、まるでアシュラムのようでもある。収入が低く、貯蓄高も低い、かわりに借金率が高く、持ち家率ももちろん低く、非婚率が高く、そのせいではないだろうけれどたぶん平均寿命が低い。
趣味はパチンコ、競輪、競馬にボート、休日には家飲みをして、エンゲル係数が異常に高い。ファッションなんてことには無頓着な割には喫煙率が高い、それが業界の特徴で、ボクのまわりにもそういう人たちがかなりいる。収入に見合った生活をしている、というか、生活を収入に合わせている。月収が10万円ならばそれなりの生活が出来るし、8万円でも6万円でもやっていける、さとり、ではなくて、仙人のような人たちが多い。
ボクもそのうちのひとりで、すっかりと悟っていて、休日は家に引きこもり読書三昧だったり趣味は散歩だったり、たまの外食はすき家で牛丼だったり、ちょっと贅沢してスタミナ太郎だったりする。もちろん結婚するなんて野心もなくて(野心じゃないか、それに甲斐性もないのだけど)、出会いなんてものにも無関心、出世願望なんてものもなくて、夢や希望なんてものとも、とうに縁切りしている。
さとりの何が悪いのだろうか?
資本主義国家としては野心を持ってガツガツ(社会や国家のために)働いて、儲けた金で消費を増やし、さらに結婚して消費者を産み増やすことが正義に決まっているのだから、ブッダが増え続けることは資本主義国家の消滅を意味している。だからさとり世代を否定的にとらえるし、引きこもりは悪だと説くのだ。
ローソンの新浪さんがニコニコ顔で出演しているが、コンビニなんてのがさとり世代を増やしている悪の元凶でもあるのを、本人もNHKも気がついているのだろうか?コンビニが増えれば増えるほど非正規労働者が増えるということ。学生や主婦のアルバイトなんてのは少数派で、正規社員になれない人たちがしかたなくコンビニでアルバイトをしている現状をどう説明するのか、そうしてそういう人たちを悟らせている張本人だということを、新浪さんは分かっていないのだろうか。
コンビニ業界で働く非正規労働者の労働条件や権利、そして将来なんてものをどう保障するのかなんてことも、もう少し俎上に載せて議論した方が、というか、さとり世代がいなくなると、そして非正規労働者がいなくなると、やっぱり困ってしまうのは資本主義国家ってことなので、「生かさず殺さず」にするということが家康から連なるこの国家の治め方なんだろう。
新年、いつものお年玉は、名鉄の「迎春1dayフリーきっぷ」で旅だった。去年は犬山城や名古屋散策をしたのだけれど、今年は利用最終日の5日の午後に家を出て…結局セントレアに夕陽を見に行くのが、その往復が精いっぱいだった。
というか、考えればこれも「さとりの行為」なのだけれど、夕陽を見にセントレアに行く、ってのはちょっと贅沢かもなあ、なんて思ったりもした。でも、そんなことで「贅沢」なんて納得するほど悟っているんだから、もうこれは空海もびっくりの境地を開いたかもしれない。そうなるとボクのような中年を「仙人世代」なんて呼んでくれるとありがたい、なんて思ったりしている。
さとらなければ生きていけないのだから仕方ないのだし、そのうちまた「欲しがりません勝つまでは」なんて国家ぐるみで倹約を煽る時代が来ないとは限らないのだから、別に良いんじゃないのかと思う。一億総ブッダ国家、シッタールダも草葉の陰でさどかし喜んでいることだろう。かわりに本当の坊主がナマクラになってしまっているのが嘆かわしいのだけれど…。
さてと電気代がもったいないから寝るか。
2014年 迎春1dayフリーきっぷ
ミューチケットで先頭列車に乗ったのだけれど、それも贅沢なことで至福の数時間だったとさ。

2件のコメント

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    元フレームさん、どうも。
    あと数年したら、もっと仙人的に生きるつもりです。格差ということをもっと肯定的に捉えると、楽しいのかもしれませんね。
    まあ、若い人はそのあたりのことを、やっぱり悟っているのかもしれないですね。

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    こんばんは なんだか明るく笑い飛ばさずには、居られませんでした。似たような暮らししています… 仙人世代かぁ いいかも。

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