軽自動車税増税で考えたこと

最後にボクのお気に入りの広告を紹介しようと思っている。
いつもの年末、と言ってもボクの知っているのは数年前からのこの街のことなんだけれど、その数年間の年末よりは今年の街は賑わっているように感じる。きっと自動車関連企業のボーナスが「バブル並みの伸び率」だったせいもあるだろうし、消費増税前の駈込み需要による増産で街の人口が一時的に増えているからなのだろう。
人びとが消費する理由はいくつもあって、たとえば娯楽だったり付き合いだったり、あるいは自爆営業のように「業務命令」だったりする。生活必需品と言われるものにしてもそういう有様で、ボクたちはずいぶんと無駄な消費をしている。
どうしてか、なんて考えることはとても不謹慎であり忌諱すべきことのように扱われる。消費こそが正義であると、ボクたちは学んできたのだし、街にはその正義のフレーズが溢れていて、捨てることと消費することについて不感症になってしまっている。マスコミのせいだけではなくて、もうボクたちはすっかりと洗脳されてしまっているのだし、この消費主義のメカニズムの中にボクたちの手足、身体中の全てが歯車として組み込まれているのだから、それを否定することはこの社会の存在自体を否定するということなんだ。
軽自動車税が上がる。バイクにかかっている税金も上がる。軽自動車については、再来年、2015年4月以降購入分からが対象になる。来年4月からの消費税増税、そして次の年の軽自動車税増税で、まだまだ自動車関連企業の繁忙期は続く。
軽自動車税の増税時期が2015年になった理由は増税時期が重ならないようにということと、軽自動車業界への忖度なのだろう。それによって業界の好況が続く。
朝三暮四、ということに気づいている人も多いのだろうし、その2015年4月以降については考えると怖くなるのだけれど、きっと新たな政策、例えばエコ減税のようなものを、また施策して国家国民を欺いてしまうのだろう。結局、無知と飴、いや、鞭と飴でなんだかうまく誤魔化されてしまっては、国は傾く一方なのだ。
エコ減税でこの国の環境が改善されたのだろうか。それと同じで消費増税や軽自動車税増税でこの国や地方の財政が改善されるとはとうてい思われないし、結局はこれまでの失策にたいしてのツケをいま支払われているということ、それはしかたないことだとしても(ボクも反対はしないし本当に改善するためにはもう少し増税もありと思うのだけれど)やっぱり国家の欺瞞だと思う。
そうしてボクたちは消費をする。駈込み需要なんてまるでブラックフライデーやクリスマスセールのような賑わいでボクたちは消費を拡大する。
4月には上がるのだから今買わないと損だ。2015年4月からは年間7200円が10800円になるからそれまでに買わなければ損だ。と、まるで夢遊病者のように消費する。それが今の自動車関連企業の活況なのだ。
本当に損なのだろうか?その消費もボクたちの大好きな正義のためなのだろうか?
今持っている車を乗り続けようとする選択はないのだろうか?あるいは車は乗らないという選択はないのだろうか?自動車業界もプリウスのようなエコカーの前に長く乗れるクルマや一生物のクルマを作ろうという選択はないのだろうか?
買うという選択よりも、買わないという選択のほうが、本当はボクたちのためには、例えば環境とか未来のためには良いのではないのだろうか?
ボクたちはボクたちが洗脳されてしまっているということに早く気付くべきなのだ。ボクたちの正義もコマーシャルというお経により呪縛されてしまっているということに今すぐ気づくべきなのだ。そしてその正義が実はこの国だけではなくて、この惑星の将来、もちろん子供たちの未来のために良くないことだということに気づくべきだと思う。
「Don’t Buy This Jacket」
というタイトルで2011年11月にパタゴニア社がニューヨークタイムス紙に出した広告がある。
「Don’t Buy This Jacket(このジャケットを買わないで)」:ブラックフライデーとニューヨーク・タイムス紙 – パタゴニアのブログ「クリーネストライン」
ボクたち(ボクたちなのだ)は、負の循環から、その束縛から解かれるべきなのだ。増税といういう国家ぐるみの押売りと、それによる好況、消費拡大。無限ループの消費主義なのだけれど、地球資源には限りがあるということ、そしてこの惑星は消費が拡大されればされるほど疲弊してゆくということを、そして滅亡へと進んでゆくと言うことをそろそろ真面目に考える時期だと思う。それはほんとうは原発なんかより恐ろしいことだし、ボクたちはそれに加担しているのだから。
熊本港から雲仙
熊本港から雲仙普賢岳、6年前かなあ…。

3件のコメント

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    返事が遅くなりました。
    >影山さん
    いつもありがとうございます。
    いつか、そうですね、どうも人見知りで出不精なので…。正月もこうして引きこもってます。
    ことしもよろしくお願いします。
    >さといもさん
    冬休み、どこかいかれましたか?
    忙しい一年だったと思っています。
    来年は、そうそう、トヨタカレンダーの画像を送っていただければうれしいのですが…。
    また今年もよろしくお願いします。

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    軽自動車に関しては普通自動車との格差を考えると現状の税金の差が価格や性能といった基準で考えると正当なものといえないのは事実でそれの解消を狙ったのだろうけど逆に普通自動車のそれを下げるといった選択肢もあるのでないかと思ったりもします。
    それでも一気に2倍3倍になるのならともかく1.5倍(最大3600円)ならまだ許容範囲でないかと。
    自動車関連の税金に関しては
    生活必需品だから安くしろ!
    ぜいたく品だから高くしろ!
    と大まかに分けて2つの意見がありそれぞれ平行線の議論になっているように感じます。
    個人的には燃料にかかる税金の割合を高めるのが一番適切に思います。
    理由は環境に与える悪影響を考えると使用する頻度や燃費に比例する燃料に比重を置くのが一番適切ではないかと思うから。
    自動車を乗らない、持たないといった選択肢を実行すると変人扱いされてしまう社会も変えていかないといけないように思います。
    要自家用車なんてふざけた求人もありますからね。

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    娘が名古屋の大学に行っていたときから愛読しています。
    期間社員寮も見たことがあります。
    工場は他のトヨタ工場と変わらないと思いますけど。
    でも、技術員(技術職で本社から干された人?)には頭にきました。
    台風で約束の時間におくれお詫びしているのに、時間のロスをどうしてくれる!
    挙句の果てにインジェクターの不具合を全取り換えしろとは。
    わたくしの勤務していた会社はトヨタとの資本関係は5%です。
    問題を起こしたインジェクターはトヨタの子会社が製造したものです。
    また、オイルクーラーから異音が出ている言うクレームがあった時も呼び出され寒風の中で調査させられましたが設計したのはこちらですが勝手に展開したのはトヨタでした。
    頭に来たからそれ以降行っていません。
    p.s.一度お食事しませんか?

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