食材偽装とトヨタ車

ロブスターを伊勢海老だと偽って提供する料理人の矜持なんてものを考えている日曜日は、いつものように「ちびまる子ちゃん」を見ている。物神崇拝、要するにフェティシズム的性的倒錯で、食べなければならない、買わなければならない、なんていう資本社会の病理、消費社会における呪縛、洗脳。大量の変態が産まれたという現実。
食べるために走る豚をたくさん造りだしたということだ。そのことに本人たちは誰ひとり気づいていないから驚いてしまう。走っても消化されないのならばさらにダイエット食品を消費する。それで足りなければジムにも行く。たいへんおめでたい世の中だ。どんどん食べて、どんどん消化させる、それが豊かな人生なのだから。
ロブスターを伊勢海老だと美味しいと食べさせる料理人の腕なんてことを考えている日曜日だったりもする。というかもうこの国の人たちにとってはロブスターだろうが伊勢海老だろうが、どちらでもいいことなのだ。正義は雑誌の中にある。味覚も記号の中にある。何度も書くが耳障りのよいコトバによって感覚を奪われる。カロリー表示で満腹中枢が刺激されるだけの役立たず。
ブラックタイガーも車海老も同じように感じるならそれでいいのではないか?企業がそれによって大量生産できて消費者が大量消費できるのならば、それは資本主義の原理に沿っているのではないのか。カイゼンによってコストを切り詰めて、ロブスターを伊勢海老として感じることが出来きて、それで顧客が満足するのならば、それはそれで正しい行為ではないのか?それを資本主義というのではないのか?
というか、そんなことは製造業ではとっくの昔からやっているのではないのか?そしてもうブラックタイガーと車海老どころか、芝エビと伊勢海老の区別さえ消費者は判別できないぐらいに洗脳されてしまっているのではないのか?コストパフォーマンスなんて愚かな幻想に憑りつかれて、人造海老を車海老とありがたがる国民に成り下がっているのではないのか?
街はそんな光景で溢れている。
どれを食べても似たようなテイストで溢れている。
自動車業界はクルマが売れない原因がそこにあるということを考えるべきなんだろうと思うのだが。
アクア
小さいエビ、もとい、アクア
ヴィッツ
中より小さいエビ、もとい、ヴィッツ
プリウス
中ぐらいのエビ、もとい、プリウス
toyota.jp カーラインナップ | 車名一覧
とろける、脂肪注入肉は美味しいですがなにか?
食材偽装で考えたこと | 道中の点検

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA