夏休み、夏祭り

イスラエル・パレスチナ問題やウクライナ問題を思うとなんだか気持ちが暗くなったりする。鳴り響くのは、花火の音、ではなくて、爆弾の音、なのだ。

祇園祭初日、学校は終業式、海の日3連休、梅雨明け近し……。

豊橋祇園祭 2014年夏絵日記
2014年夏絵日記「豊橋祇園祭」

戦争を知らずにボクたちは育ったのだけれど、ボクたちの隣、世界中には戦争がいつもあって、たぶんどういうものかぐらいはみんな知っているんでしょうね。

知っているのだけれど、例えば、戦いなんていう五分五分の勝負を連想していて、平和ボケした楽観主義者なんてのは日米が負けるはずがない、だから我々が死ぬはずがない、なんて思っているに違いないのでしょう。

戦争ってのは、「いわば戦争は、他の国がどうこうするということじゃなくて、自分の国家機関あるいは国家権力というものが、自分の国の大衆を殺させるということ、それが戦争なんだと言っているわけです」(吉本隆明「シモーヌ・ヴェーユの意味」)ということで、そう考えると戦争ということがいかに愚かしいことか分かると思います。まあ、国家権力によって巧妙にボクたちは殺されるのです。それも喜んで。(以前にも似たようなことを書いたのですが)

国家戦略なんてことで相変わらずボクたちは殺され続けているのですが……。

外はお祭りなんだけれど、なんだか気分はブルーで、花火の音に耳をふさぎたくなってしまったのです。

以下再掲

— ここから

自殺の地域特性で考えたこと

吉本隆明さんが1979年に行った「シモーヌ・ヴェーユの意味」という講演の中で、そのヴェーユの戦争観について「いわば戦争は、他の国がどうこうするということじゃなくて、自分の国家機関あるいは国家権力というものが、自分の国の大衆を殺させるということ、それが戦争なんだと言っているわけです」と説明しています。

きっとそうだとボクも思います。戦争をしなければならない、殺略しなければならない、という理由とか動機とか、あるいは空気なんてものは、いつのまにか、たとえば離島にいたとしても、国家の力をもって伝染させ蔓延させてしまうのでしょうね。秘密裏に巧妙に、です。

「単なるナショナリズムは愛国という高度な倫理とは別のものである」として「幕末の攘夷思想は、革命の実践という面では、ナショナリズムという、可燃性の高い土俗感情に火をつけてまわることだった」と司馬遼太郎先生が「この国のかたち:朱子学の作用」で書いているように、感情に火をつけて煽る、という「政治意図から出る操作」を行って国を潰滅させてしまった太平洋戦争を考えれば、戦争というものがいかに「自分の国の大衆を殺させる」ことかというのが分かると思います。

武力による戦争が、冷戦の終結とともに終わった途端に、世界がグローバル化して、そして経済戦争が激化したように思います。政治的イデオロギーは、同一同質の経済的イデオロギーに変遷してしまいました。資本主義、市場経済の中では、いかに物を造って売るかという新たな戦略が国家単位で行われるようになって、その戦争に勝つということはいかに利益を上げるかということになりました。

国民、労働力が兵士として、その経済戦争で闘うことになりました。高性能で安価な武器をどれほど使用できるかが戦力として語られるようになりました。その労働力が国家権力で特攻隊のように殺されてゆきました。そしてまたもや20年という年に敗戦をむかえたのが、今のこの国の現状でしょう。

「自分の国家機関あるいは国家権力というものが、自分の国の大衆を殺させるということ」を経済戦争でもおこなってきたのです。火をつけ煽るようなことも行っていました。「国際競争力」と言っては、それがなにかナショナリズムの金科玉条のようにのたまう参謀もいて、それを根拠あるいはそれを担保に賃金を抑制して派遣を容認する人もいまだにいます。国のために命を落とせとヒステリックに叫んでいるようにしか思えないのです。それで国が救われるわけではないのに…。

今度こそは、誰が本当の戦犯かを白黒付けないと、また進駐軍にチョコレートをもらって、そして安保でお茶を濁したような鬱屈した終わり方を繰り返すのだろうと思っています。

2件のコメント

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    しおまるさん、こんにちは。
    雨、すごかったですね。一気に冠水して怖かったです。
    確かに平和で、貧困だといってもアフリカやアジアの人たちよりは豊かなのだから、やっぱり豊かで平和な国なのでしょうね。

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    きびしいですね。まったり生きていますが、
    充分ありがたく思っています。(充分と十分の違いが判らないくらいです。どのくらい違うのかな?)日本人は民主主義までお上からもらったせいでしょうか、「血を流してまで」という感覚が無いのでしょうね。でも平和が好きです。

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