カメラを持って、なんて思っていたのだけれど、帰りに寄ったセブンイレブンに福井酒造さんの四海王「福」なんて純米酒があったもんだから、ついつい買って帰ってしまい飲み始めたら眠ってしまって、起きたらもう夜。そして頭痛。鎮痛剤を飲むかどうか思案中に、チャイムが鳴って宅配便の人がアマゾンの商品を届けてくれた。
子供の頃のこと、近所のおじさんたちが家に来ては下戸の父親を相手に酒を飲んでいた。酒目当てなのか、父の話目当てなのか、なんだかんだと毎日誰か来ては酒を飲んでいた。アテには漬物とか乾物とか手軽なものだったのだけれど、酒飲みのおじさんたちにはそのほうが好都合、というか、そうでなくては恐縮してしまって毎日来ることなんかできなかったに違いない。
父も母もそんなおじさんたちを迷惑がらずに、帰った後も悪口ひとつ言わずに受け入れていた。おじさんたちが来ない夜には、父が出かけていた。将棋を指しに近所の家によく行っていた。なんなんだろうなあ、あの習慣は…。
今は、近所のおじさんが毎日のように来て酒を飲む、なんてことがある家庭なんてないのかもしれない。もちろんボクのアパートにも同僚や知人が訪ねて来て酒を飲むなんてことはないし、ボクの話を聞きに来るような奇特な人もいない。
ボクの田舎でも、きっと、そんな人も家庭もないのだろう。古き良き村社会の風習、というか、濃厚な人間関係が、子供の頃にはあった。
それが良いことなのか悪いことなのかは分からないのだけれど、こうして知らない街でひとりで暮らしていると、あんなおじさんたちが世の中に必要なのかもしれないと思う。でも、ボクがおじさんたちのようになれるかというと、それは無理な話で、まあ、職場の若い人たちが所帯を持って「田原さん、晩ご飯でも」なんて言われる日が来ると良いなあ、なんて思ってはいるのだけれど、これまたボクがそんなことも苦手なので、「いや~、今度また」なんて言うに決まっている。というか、そういう若い人が少ない職場なんだけれど、まあ、そうやって濃い人間関係も世の中には必要だろうし、若い人が所帯を持つということも大切なことで、結婚できないような社会環境や労働環境なんてものはなくさなきゃいけないと、思う。
若い人が希望を持てる社会なんてものにしないと…そう思ったところで、やっぱり鎮痛剤を飲むか。
酒飲んで鎮痛剤飲んでりゃ世話ないか…。
福井酒造 四海王 福
今季初の鍋にした。大根おろしとポン酢のタレが、左側に汚く写っているんだけれど、「なんだか変なもの食べてるよ」って思われたくないので、いちおう「変なもの」ではないので…。

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