残業規制は迷惑なんですが・・・

「働き方改革」の残業時間規制の計画が決定されて、残業時間を月45時間、年間360時間の上限で基本的な規制を法制化し、2019年4月に施行される見通しになった。

その45時間が長いか短いか、なんてことは、労働者それぞれの事情によって違ってくる。

タクシー業界は、「改善基準告示」で、労働時間が月322時間(車庫待ち)、残業時間にして焼く150時間も国家によって認めらているのだから、そんな45時間なんて陳腐な時間は、あってないようなものなのだ。

月間150時間残業しても、全産業平均賃金よりも低いのだから、出来れば「もっと残業を」なんて言いたいのは、24時間営業をするコンビニみたいなもので、客単価と客数の上昇が少子高齢化によって絶望的状況なのだから、せめて時間を延長して収入を増やす、というのが、商売の基本、経営の基礎、経済の法則、というものなのだ。

過労死や過労自死が減ったとしても、残業規制はボクたちをさらに貧しくさせ、貧困死や貧困自殺を増やす。

それを解かっているのだろう、ボクたちタクシー運転手や、バス、トラック運転手は、その残業規制を5年間猶予されるらしい。

そもそも、残業しなくても普通の生活が出来る賃金があればいいだけの話で、残業規制よりは、低賃金規制なんてものを法定化すべきで、企業の賃金思想の低俗化や倫理観の欠如が、今のこの「働かされ方」に至っている原因であるというもの。

さらに5年の猶予のそのあとは、月80時間、年960時間の残業が許されるそうで、今から7年後も、他業種の労働者との格差は縮小することはない、そう天下国家が晴れて認めてくれたことは、これまた絶望的で、どんなに時間が過ぎようとも、どんな働き方をしようとも、待遇改善なんて夢のまた夢。

と、夢を見る暇もなく、日進日歩の勢いで業界を取り巻く環境だけは変化を続け、自動化や無料化、ライドシェアなんて、残業どころが仕事が限りなく0になる日のほうが、きっとその7年よりは早く来る。

と、その前に、この身がそれまで持つか、ということのほうが問題だったりもする。

残業がなくなれば、シアワセになるのならば、なんだかとても簡単に思える。そうそう、Uberなんてライドシェアが認められなければシアワセになる、なんて幻想と同じで、結局、シアワセになるのは、業界と政界なんだろうと考えたら、7年後にはこの国もあるのか、なんて疑問に思ったり。

たっぷりと残業した頭で考えているんだが・・・。
トビウオと可
トビウオと可

2件のコメント

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    さといもさん、どうも。

    残業代込での収入を考えている人も多いし、そもそも残業が定時に組み込まれているところも多いのも事実ですよね。

    1日8時間というのが決まっているのに、36協定なんてものがあって、そして今回はその上限を決めるのだから、例外、特例、猶予、なんて、へんな話で。

    まあ、働き方なんてのは個人が決めれば、それが一番なんだろうけれど、結局は働かせ方になってしまうのは、生産の宿命なのですかねえ。

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    こんにちは。

    元々の賃金が安いから残業しないとやっていけないという意見自体は多いからそこを先に何とかしないといけないとは思います。
    まあ残業がたくさんあるのを前提で無駄に立派な家や車などに金使ってるなんて話もありますが。
    この部分は深夜勤務の手当などにもあてはまります。

    それに残業とはいってもきっちり手当が支払われるものと俗にいうサービス残業、事実上強制のものと本人の意思でやるもの、緊急時とそれ以外などでは分けて考えないといけないとは思いますし一切の例外なく全ての残業禁止などはあり得ません。
    結局はそれに見合う金が貰えるのであればある程度の残業は許容するし受け入れないといけないと考えが多いでしょうか、私もそれに近いです。

    業務によるが予定より遅れたからといって途中で投げ出すような事は無責任ととられる事は考えられます。例えば交通機関が遅れたからといって途中で運行が打ち切りになったら笑えませんよ。海外では実際にそうなる事もあるようですが。

    日常的に残業が多いのならいっその事1日の勤務時間を長くしてその分休日を増やす(当然人員も増やさないといけない)といった方法はありますがそうすると労働時間は絶対8時間、それより上も下もないなどといった極端な思想の方が食ってかかってくるのだろうかと思ったりします。

    もっと稼ぎたいという意見に関しては副業や兼業への規制を緩めたほうがいいでしょうか。

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