相楽の庚申堂 – 勢徳寺跡

相楽の庚申堂は、宝暦14年(1764年)に建立された歴史ある御堂でした。しかし、平成9年(1997年)6月に老朽化のため取り壊されました。もともとここには、三河七御堂の一つであった全福寺に属する十二僧院のうちの、勢徳寺があった場所と言われています。

ご本尊の継承と現在の状況

  • ご本尊:庚申堂跡碑の銘文によると、庚申堂に安置されていたご本尊の青面金剛像は、現在は養円寺に移され祀られています。
  • 現状:現在、庚申堂のあった場所は養円寺の墓地となっています。そして、敷地内には「庚申堂跡」の石碑が建っています。また、近くに合祀観音像が建てられ、供養されています。

御堂山街道沿いの要所

この庚申堂は、歴史的な街道である御堂山街道の沿線に位置していました。

  • 街道のルート:御堂山街道は、蒲郡市の牧山(豊岡町)から迫(とよおか湖周辺)を経て御堂山を越え、丹野・山神(相楽町)、そして赤根、大草、拾石(御津町)を通って国府(こう)へと続いていました。
  • 街道の重要性:国府はかつて三河国の国府があった場所であり、そして、この街道は古くから利用されていました。(上ノ郷城落城後に鵜殿氏が鵜殿坂で討たれた際も、この経路を使おうとしたと言われています。)

庚申堂の周辺には、この街道沿いの歴史を物語る養円寺、相楽常夜灯、十王堂、観音堂などが今も残されています。

*補足:全福寺12僧院とは、養円、多福、真諦、普門、勢徳、観心、般若、慈雲、護持、松本、千手、中之院です。(現在は、養円寺と、豊橋市天伯町へ移転した勢徳寺の2寺のみです)

相楽の庚申堂
相楽の庚申堂跡

相楽の庚申堂の画像

地図・行き方


参考文献 『大塚・相楽ふるさと博物館 資料集』
蒲郡市誌 本編 – 国立国会図書館

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