タクシーのキャンセルとマスク着用義務化について
日本交通が「無線配車における待機時間の変更について」で、到着時間(予約配車の場合は予約時間)から、最短5分で引上げる運用をするということを公示した。
また、都内の複数のタクシー会社が「利用者が正当な理由なくマスクの着用を拒否すると運転手が乗車を断ることができるよう」国に申請したそうだ。
【お知らせ】無線配車における待機時間の変更について | 東京最大手のタクシー会社
堀江貴文さんが動画で「タクシーでのマスク着用義務化に反対する理由を解説」。小林よしのりさんはブログで「マスクを絶対神とした畜群ども」 | ガジェット通信 GetNews
マスク着用義務化
どちらも、乗務員の利益になるように見える。果たして本当にそうなんだろうか。乗車拒否という強い態度や「5分」という短い時間に対して、ボクは少し違和感を覚える。すでに一部ネット上では「もうタクシーを利用しない」とマスク着用義務化に反対を訴えるインフルエンサーも出ている。そして社会とタクシーの分裂し対立が始まっているように感じる。その分裂や対立を危惧することが違和感になっていると考えている。
長引くコロナという災禍、タクシー乗務員に必要なのは、安心して働ける職場環境だ。そしてその職場環境の構築がタクシーという労働意欲の高まりにも繋がる。労働意欲こそが、タクシー会社の利益につながる。
マスク着用を強制する前に、感染予防、感染拡大防止対策を行なってほしい。乗客や乗務員のために、完全に隔離できる車に再装備することも必要なのでは?感染防止車両にすることこそ必要ではないのだろうか?
いまだに飛沫シートを装備していない会社やアルコール消毒剤やマスクまで支給していない会社もある。乗客にはマスクの着用で負担を強いて、乗務員には自己責任を強いている。
タクシーのキャンセルルール
最短5分ルールも同じだ。確かに会社は効率の良い配車業務になる。しかし「引き上げる」つまりキャンセルになった乗務員への補償はない。「最短で5分」というところに、まだ救いを感じるのだけれど、それは配車センターの恣意的な判断にゆだねられはしないのだろうか。まるでこの国の週40時間の労働時間のように。
一体となってこの災禍を乗り超えなければならないというのに、業界は一方的に、そして利己的にシステムを変えると言い、乗務員は不安の中で口を閉ざし、乗客も自分たちの立場だけで理論を組み立てる。そして結局はその方策が事業者と乗務員と乗客の対立と分断をもたらし、さらに煽る。
いえ、ほんとうは、私たちは、お願いしたいんです。
一方的に「5分」とか「義務」なんて命令しているわけではないのです。実は、
- 事業者へは、どうか私たちが安心して働ける職場環境(車内装備や装置、不当な乗務員負担の削減と賃金制度)をつくってください。
- お客様へは、どうかマスクをしてもらえないでしょうか。マスクは会社が用意しています。私たち乗務員は、社会の公器として、お客様の足となり、移動のお手伝いをし、お客様に安心してご乗車いただけるように、努める覚悟です。
- そして国家は、タクシー事業者が公共交通として社会のために機能し、タクシー運転手が安心安全に働けるような、労働法制に改善してください。
利用者と運転者の思いやり
そういう願いや思いがあるのです。そして、そんなことを考えては、結局、乗務員は10分や20分待ってもいいけれど、そしてキャンセルになってもいいけれど、それに対する補償がないのが問題で、コロナという病気やその周辺の事がらが明確化されていないことが不安なのです。
とにかく、私たちは不安ばかりなのです。どうか、そんな私たちの不安を、取り除くために、ご協力をお願いします。そう思っているんです。


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