水弘法 – 水不足と弘法大師の秘蹟

水弘法は、弘法大師(空海)にまつわる伝説のひとつです。その多くは、水不足の地で大師が杖で地面を突くと清水が湧き出たという奇跡(秘蹟)を伝えています。

ここ形原音羽(おっぱ)の水弘法伝説も、この場所から真水が湧き出したという話です。そして、村人たちが感謝のしるしとして堂宇を建ててお祀りしたのが、この弘法堂です。

水弘法の伝説

形原音羽の水弘法の話には、複数のバリエーションがあるようです。清水が湧いたという核は共通していますが、一説には村を襲う津波を大師が鎮めたという話や、その前に村人が宿を提供しなかったというエピソードが加わります。これは、冷たい仕打ちを受けてもなお、見返りを求めずに人々を救う大師の慈悲深さを際立たせる物語となっています。

このような無償の慈悲の精神は、例えば「無財の七施(むざいのしちせ)」といった教えに結実しています。私が四国を遍路した際、それを強く感じました。旅の中で冷たい仕打ちを受けることは一度もなく、これもまた、弘法大師の教えが今も生きている証かもしれません。

弘法大師信仰

さて、この伝説から幾年もの時が流れましたが、今もこの地域の方々の弘法大師への篤い崇敬が感じられます。ちょうどお盆の時期だったためか、内陣にはホオズキが供えられていました。

ただ、お堂前にある手押しの水ポンプは、今は使われていないようでした。その傍らにある水鉢は、御嶽神社の蔵王権現の手水鉢だったとの言い伝えです。そこには「寛政二庚午十二月 日」という年号が刻まれているそうです。

愛知のむかし話 – 国立国会図書館

宝飯地方史資料 4 – 国立国会図書館

水弘法の画像

地図・行き方


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