三河地震による地割れ – 震源地近くに残る地震の爪痕
2025年11月3日
蒲郡市一色町にある曹洞宗の宗徳寺(そうとくじ) の裏山には、1945年(昭和20年)の三河地震によって生じた地割れの跡が残されています。
この地割れは、地震を引き起こした深溝(ふこうず)断層の真上にあり、断層の活動に沿って発生したものです。現在も掘削跡、あるいは堀の跡のように視認できます。
隆起と被害の生々しい記録
この地割れ跡は、三河地震のすさまじいエネルギーを今に伝えています。
- 解説板によると、「形原地区における断層上での隆起は1.5mにもなり、甚大な被害は主に断層線周辺でもたらされた」と記されています。
- ここ宗徳寺でも、地盤の隆起によって伽藍(がらん)の一部が持ち上がるなどの被害があったと伝えられており、当時の地震の破壊力が生々しく伝わってきます。
天然記念物と深溝断層
この「三河地震による地割れ」は、地震の痕跡を伝える貴重な史跡として蒲郡市の天然記念物に指定されています。
- 地割れ跡は観察用の散策路が整備され、解説板も設置されているため、安全に見学できます。
- この地割れの北西には、三河地震のエネルギー源である深溝断層があり、最大落差が約1.5m、最大左ずれ変位量が約1mにも達する大規模な変動を起こしたことが確認されています。
三河地震の凄まじさを今に伝える碑が、形原神社(蒲郡市)の「わすれじの碑」、形原町下音羽の秋葉社の「震災復興記念碑」にあります。





