年金受給者に依存する業界
地方のタクシー運転手不足は今のままでは解消されずに、さらに高齢化し年金受給者に依存することになるでしょう。
ずいぶん前から、そのこと(労働力を年金受給者に依存している)が問題視されてきました。その問題や課題には次のようなものがあります。
- 事故、事故リスクの増加
- 労働時間の制限(実質稼働率の低下=タクシー不足)
- 結果的に若い人たち参入の減少
- 低賃金化(業界自体が高齢者を軸とした低賃金に張り付いてしまう)
- 労働者不足スパイラル
解決されずさらに深刻化する…その高齢者に依存する仕組みについて考えてみます。
年金受給者とタクシー運転手
高齢タクシー運転者の多くは賃金のみで生活しています。決して年金+賃金ではありません。高齢になってまでも働くのは、年金額が少なく年金の繰り下げ受給をするためです。
もう少し具体的に書くと、タクシー事業は雇用のセイフティネットと言われ中途入社が多い業界です。そうした人たちの中には、国民年金だけだった人もいます。また受給資格のない人もいます。(受給資格が25年だった頃に比べて減りましたが)
そうした問題以前に、この国の平均年金受給額は15万円程度です1。この額では老後の生活を安全安心して送ることができません。つまり、死ぬまで働かなければ生きていけません。
この年金問題がタクシー事業に高齢者を集めていると言えます。そして、タクシー事業が年金政策失敗の被害者のセイフティネットにもなっているのです。
年金制度の失敗
つまり、年金制度の失敗が原因なのです。年休受給年齢にある高齢者こそが、賃金や年齢といった条件からタクシー事業に依存しなければならないのです。そのことは、仕事のない地方ではこのことが顕著になります。
高齢者が死ぬまで働かなければならない。そう言った、この国の制度上の弊害がタクシー業界に現出しているということです。高齢のタクシー運転手は、年金+賃金を貰って楽して暮らしている、というわけでもないのです。
令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況 厚生労働省年金局
今も地方の労働力は都市部へ流出し続けています。そのことは地方の運転手不足を加速させています。さらに、若者が流出し高齢化が進むと、いずれは町が消えてなくなるでしょう。その時になって、やっと運転手不足が解消される、ということです。
9月28日
朝から曇り…午後から雨…午前中エアコンのフィルターを掃除し、新しい吸入口のフィルターを取り付け。
どこにも出ず…酒がなくなったので買いに行こうかと思ったけれど、ジンがあったので水割りでいただく…
『ロード・オブ・ザ・リング 指輪物語』を途中まで鑑賞。今から続きを観る予定。雨は降ってないけれど、今にも降りそうな日曜日の午後。