人生と読書 平野啓一郎講演会で考えたこと
「人生と読書」平野啓一郎さんの講演会が蒲郡市民会館で行われました。
平野さんは蒲郡市、蒲郡市民病院で生まれたそうです。ということもあり、講演は蒲郡のこと、曽祖父や祖父、ご両親のこと、ご自身の子どもの頃のことから始まりました。平野さんが、1歳の時に父親が亡くなりました。記憶のうちにない父親を物語として聞くことになります。
そして中学生の時に(なんと14歳で)三島由紀夫の『金閣寺』に出会い魅了されます。その三島文学から、他の文学特にトーマス・マンや美や芸術への探究へと繋がっていったそうです。
そういった繋がりの中にある文学作品を「(森の中の)一輪の花」という表現をされていました。
確かに、全てのものは単一では存在しません。逆説的に言えば、ものは全てのものの内にあります。それが錬金術であり両性具有者(アンドロギュノス)なのだろうと考えています。
そして、実は単一のものの内には普遍性がある。それが「ある男」だった…なんて考えていました。
さて、講演「人生と読書」は平野さんのそんな青春時代まででした。蒲郡市制70周年記念ということもあり、それに夏休みということもあり、良い話だったと思います。こういう話は、若いうちに、とも思いました。
Twitterの平野啓一郎を期待していた、人もいたかもしれませんが……
『日蝕』を読む前に
この講演後に、平野作品をこれから読もうと考えている人もいるでしょうね。デビュー作であり芥川賞受賞作『日蝕』から、という人もいると思います。
この作品は超難しいです。ボクは40ページまで3日かかりました。途中、捨てようかと思ったんです。理由は、分からない言葉、読めない漢字が多いからです。
でもね、40ページまで歯を食いしばって読んでみてください。そこから徐々にテンポが出てきます。身体が慣れるまではキツい登山みたいなもんです。100ページ越えれば、ちょっとリーディングハイになりそうになります。そこからは、意味を調べなくても、漢字を読めなくても、一気に行けちゃいます……きっと。
辞書は「漢字辞典 – 手書き漢字検索アプリ」のような手書きで検索できるものが良いと思います。なぜならば、読めないからです。このようなアプリですと早いです。それに履歴がすぐに出るので、調べ直す手間も省けます。
という8月最後の日曜日でした。ひさしぶりに外出し、ひさしぶりにお酒も…
講演会が終わって…蒲郡市民会館

