タクシー運転手の定着率 辞めない理由
タクシー運転手の定着率は高いのではないでしょうか?(当社比)
次のような理由が考えられます。
- 成果主義
- 労働時間、勤務時間の裁量権がある
- 成果が見える(ゲーム感覚)
- 自己肯定感が高くなる
- 「出来ない」を他責化することができる
- 人、天候、運のせいにできる
- 気分、健康という自己内部に理由化できる
- 職場環境
- タクシー車内では職場のパワハラ、セクハラがない(カスハラはありますが)
- 勤務中に上司がいない部下がいない
- 労働時間、勤務時間の裁量権がある
- 休憩時間、長さも自由
- 出勤時間が自由な会社も
- 年休を取りやすり
- 平均年齢が高い
- 優しい人が多い
- イジってくれる
- やる気のない人もいる
- 二種免許取得費用の縛り
- 「2年以内に辞めた場合には返済」という金銭消費貸借契約を締結する
確かめよう労働条件:労働条件に関する総合情報サイト|厚生労働省
タクシー運転手の定着率
自由度が高く、裁量権があるということです。つまり「事業所外の労働で、かつ、営業活動まで運転者にゆだねている1」というタクシー事業の特徴そのものが、タクシー運転手の定着率を高くしていると言えます。
しかし、この自由な職場環境がルールを厳しくしているという、規則のパラドックスという面もあります。
もう少し掘り下げてみます。
成果主義だから
ゲーム感覚で乗務している人もいます。それに、タクシーメーターの「累計」表示が、得点のように感じる。確かに、得点です。その得点が賃金になるので、分かりやすく、夢中になる人も…。
さらに、得点=賃金は自己肯定感を高める要因にもなります。そしてその稼ぐという感覚は、これまでの人生の中で味わったことがない人も多い…。出来高制、成果主義の利点でもあります。
「強制されるものではなく、自らの自由な意思にもとづいて選択した結果もたらされるもの」という市場経済制度そのものなのです。
また、出来ないことから逃れられます。冒頭に述べたように「運が悪い」「配車が悪い」「曜日が悪い」…。さらに、自らの自由な意思は「自分はこれで良い」という救済までも用意しています。
職場環境
「事業者外で、かつ、営業活動まで運転者にゆだねている」ので、自由です。上司も部下もいません。勤務時間の調整も委任されています。なかには出勤時間も自由な会社もあります。休憩時間、その長さも、残業するしないも、運転手次第です。
そのような環境は、人間関係の煩わしさがありません。中には挨拶しない人もいますが…。
平均年齢が高い
年配者が多いというのも定着率を高くする要因です。
- 優しい人が多い
- 一生懸命な人が少ない
- イジってくれる
タクシーは転職産業でもあります。人間関係から人生に倦み疲れている人も多いようです。そういった人たちにとって、キチンとした若い人たちがバリバリ働く職場は、決して居心地が良いとは言えません。どちらかというと、『釣りバカ日誌』のはまちゃんがいる職場のほうが…。
二種免許取得費用の返済
最後に、借金があるからです。入職時の二種免許取得費用返済の期間縛りがあります。具体的には「2年以内に離職した場合は返済」です。この借金があるので、「2年の辛抱」と考える人も多いようです。
この費用返済の是非はともかく、定着率を上げるのには有効ではないでしょうか。そして、2年間もやっていれば、道も分かってくる、接客も慣れてきます。何よりも、タクシーという仕事の良さが見えてくると考えます。
その良さは「え、案外、自由じゃん」ということなんですけど…。ただ、それが不自由な原因だっりもするんですが…。