空車なのに迎車中? 不正ではありません

空車なのに迎車中? 河野太郎氏がタクシー業界の不正指摘、というニュースに業界内がザワザワしています。

これは、第17回規制改革推進会議 地域産業活性化ワーキング・グループでの河野大臣の発言「なお実際には「空車であるにもかかわらず、「迎車中」と表示することで、アプリ配車があった時にすぐに対応できるようにし、アプリでのマッチング率を引き上げようとする動きが一部であると聞く」という指摘のことです。

仮の迎車、偽装迎車とは

これは、空車中に「迎車中」の表示板を使い配車を待つことを言っているのでしょう。つまり、空車にも関わらず意図的に乗車できない状態にすることです。そのことから、「仮の配車」「偽装配車」と呼ばれています。

そうすることによって、アプリ配車だけのタクシーになります。つまり、河野太郎氏が指摘する「アプリでのマッチング率を引き上げようとする動き」という見方ができます。

下の図の3が「仮の迎車」です。タクシーの実車まの動態を時間軸でみると、「実車」「空車」「配車」「迎車」「実車」になります。運転手は「空車」時には運送引受義務を負うので、利用者を乗車させなければなりません。

次に、指摘されている迎車版の表示による実車までの動態ですが、これは「空車」と「配車」の間に、(迎車表示による)「仮の迎車」を入れます。「実車」「空車」「仮の迎車」「配車」「真の迎車」「実車」になります。実際には真の迎車と同じです。ただし、「空車」の時間がありません。常に、「空車」から「仮の迎車」になります。

これにより「空車」時の運送引受義務を回避できます。(「空車」の時間がないからです)結果的に、乗車拒否ができることになります。これが、河野氏の指摘する「道路運送法違反」の根拠です。

回送、偽装迎車について

しかし、本当の偽装迎車の場合は、「空車」状態から、「迎車」を経ず(つまり「配車」がない)「実車」になります。今回指摘されている「仮の迎車」は、配車の予定があり、それまでの時間を回送している、とも考えられます。あるいは、予約がある状態での走行です。だから、「仮の迎車」と「仮」になっています。

本当の偽装迎車は、図5のような動態変化になります。つまり、恣意性を伴った芸者や回送の動態(乗車拒否を伴う)から、実車になります。「空車」「偽装迎車」(あるいは「回送」「休憩」)から「空車」「実車」です。

タクシーの迎車 仮の迎車、偽装迎車 概略図

マッチング率を上げる使命

そもそも、マッチング率をタクシー不足の指数にしたのは河野氏なのです。そして、その指数により時間帯を指定し、日本型ライドシェアを行っています。ということもあり、タクシー不足の解消=マッチング率を上げる、なのです。

それを、仮の配車を使い配車の効率化を行ったら「13条違反だ」と言うのは、筋が違っています。ギャグですか?

タクシー不足のための配車の効率化

それに、日本型ライドシェアそのものが、仮の迎車スタイルではないのですか?ここの大きな齟齬があります。マッチング率が100%になったら「やったー、タクシー不足解消」となるんですか?

逆ですよ。アプリによる利用者が0%〜20%という状況で、少しだけ偏れば100%になるということです。今の方法では、利用者全てがアプリ経由にならない限り、正確な数値は出ないんです。

まあ、ということもあり、個人的には「なにが悪いんだよ」と思っているんです。だって、「迎車中」の表示中に運送の申込みがどれだけあったんだよ。と思うし、迎車版を使わなくても、「回送」や「休憩」にすれば良いだけなんだよ、なめんなよ、タクシーを、と思います。

仮の迎車と偽装迎車について仮の迎車あるいは偽装迎車とは、「空車」であるにも関わらず「迎車」という表示板を車外に向け表示し、次の動態、例えば「迎車」「実車」になるまで、「迎車」の状態を維持することです…
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仮の迎車と偽装迎車について

 

「空車なのに迎車中? 河野太郎氏がタクシー業界の不正指摘」ニュース記事
空車なのに「迎車中」? 河野太郎氏がタクシー業界の不正指摘(毎日新聞) – Yahoo!ニュース

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