歩合給がタクシー業界をダメにする
労働集約型産業(タクシー産業のような)では、企業の利益や成長や生産性を、労働者の数や労働力の優劣など、多くを労働力(それも労働者個人の責任)にすり替えることが多い。そして下手な鉄砲も数撃てば当たる的な人海戦術で成長をしてきた。(鵜飼の鵜戦略と言う人もいる)
売上=労働者数
最近やっと生産性なんてものを重要視するようになった理由も、その鉄砲の数である労働者不足が深刻化しているだけことだ。売上=労働力(労働者数)なのだから。
タクシー運転手の平均賃金は全産業労働者の62%しかない。1しかし、大雑把に言えば、企業の利益率とは関係ない話。なぜならば、経費の大部分が人件費だからだ。つまり、賃金の減少はそのまま経費の減少になる、ただそれだけのことなのだ。
出典:タクシー運転者賃金・労働時間の現況 全国ハイヤー・タクシー連合会
タクシー経営者の賃金思想
本当は、というか、まっとうな経営者であれば、単純な歩合給ではなくて、パフォーマンス(もちろんクオリティも)で賃金を決める。そういった(当たり前の)賃金思想を持ち合わせていて、従業員の頭数だけを数えるなんてことはしないで、従業員個々人の生活まで踏み込んで賃金を考える。だって企業は人なのだから。企業=労働力(あるいは、生産力、鵜の数…)では無いのだから。
そうすることによってさらに従業員個々人のパフォーマンスが向上し、企業全体の生産性や品質も向上する。あるいはとんでも社員の退場を促すことにもなる。今は全く逆の考え方で、生産性も品質も数に頼っている。だから、賃金も上がらない。上げなくても良いからだ。
歩合給が業界をダメにする
タクシー業界の健全な発展を妨げているものは何か?そして運転手不足はなぜか?
その答えは、100年間ほとんど同じような仕組みと状況で、いや駕籠かきの時代とほぼ同じ労働環境だからだ。つまり、その駕籠かき時代と同じような歩合給をいつまでも目先の利益だけで続けているからなのだ。歩合給が業界をダメにしている、と思う。
思想なき企業に成長なし、そう思う。業界自体が退場して、新しいプレイヤーたちがタクシーというものをリードしないと、いつまでもボクたちは労働力という鉄砲玉だけで終わってしまい、ライフワークバランスやクオリティオブライフなんてことことは疎遠な人生を強いられる。
さといもさん、どうも。
歩合だと言っても、最賃保証はあって、その努力しないで最賃って人も少しはいるようですが。
まあ、単純に努力したぶん、工夫したぶんが収入になるというのは、公平だとも思います。ただ、歩合給が適正適切かという基準があいまいで、ビジネスの主体(企業や小売り)だと収益が分かりやすいのですが、給料としての歩合だと、使用者都合にしか歩合給の利点が働いてない、ってのが問題なのだろうと思っています。
あとは経営者の給料に対する思想の問題になるのかもしれませんし。
こんばんは。
歩合給で一番問題な点だと最低保障がゼロや最低賃金以下、または限りなく最低賃金に近い数値になっている事ではないでしょうか。
そうはいっても仕事の成績や能力が給料を決める要素なのは一般的でありそこを全く反映させないのは正しいとは思えません。
どんなに頑張ってもさぼってばかりの人間と同じというのであれば誰も努力しなくなり質の低下を招くだけです。
売上の数字は客観的な判断をする材料に適しているとはいえます。
同一労働同一賃金にしても勤務や採用の形態性別等に関わらず基礎となる部分は原則同一であるべきと考えますが成績や能力を加味する事は全然悪いと思いません。
その結果多少年功序列の要素が残る事はありますが完全になくなるのは難しいのではないかと思います。
昇格にあたって一定の実務経験や年齢が考慮される事はありますので。