タクシー品質向上委員会、仲村さんというリアル

タクシー品質向上委員会というTwitterのアカウントが登場しました。それにより、タクシー業界はザワザワしています。

その委員長である仲村さんのことを少し考えてみました。(現在は「新年の宴 実行委員会」さん)

仲村さんの登場

現存する最も古いツイートは10月31日の自転車に対するリツイートです。そしてタクシー運転手とは、11月2日の「道交法ガーに絡まれて大変ですね」というリプライから始まりました。ごく普通の穏やかな出発でした。

その同じ日に「あんたの都合は関係ない。客が乗りたい車を選ぶのが何が悪い?長距離だけ乗せたいなら駅に入らなきゃいいだろ」とツイート。その後「多人数で近距離乗る客はセコいと明言してるじゃないか。言い訳するなよ。長距離だけやりたいと言ってるのと何が違うんだ?駅で営業しているタクシー運転手の台詞とは思えんな」が、それが個人タクシー運転手に対する反論ツイートの最初です。

短距離の利用者忌避問題についてのツイート

まだ1ヶ月半。

この「多人数で近距離乗る客はセコいと明言している」それが、氏のタクシー評論の方向性になったと思います。すなわちTwitterにおける「集団」と「虐め」への疑義です。このことは後述しますが、共同幻想や空気、同調圧力やヘイト、ということを内包し、その危険性への警戒こそ、氏のメッセージと闘いなのだろうと考えています。そしてそれが「貴様」という表現につながります。では、ひとつずつ。

仲村さんと個人タクシーの関わり合い

前項の「多人数で近距離乗る客はセコいと明言している」というツイートからタクシー運転手との会話が多くなりました。そして個人タクシーに焦点を合わせて評論するようになりました。その理由として

個人タクシーを目指そうと思い立ち独自に調査を開始したが、なかなか条件が厳しい。会社に10年勤務そして無事故無違反が基本線らしい。しかし個人タクシーなんて老人ばかりのイメージだったがツイッター上では30代40代がわりと多いんだな。面白そうな相手なら取材を敢行しよう。

とツイートしています。さらに、個人タクシーと法人タクシーの運転手の違いを次のようにツイートしています。

個人タクシーになるのが大変なのは分かるが二種免許は誰でも取得可能だろ。タクシー関連のツイ主なんて頭悪そうな奴ばかりじゃないか。タクシー歴2年そこらの兄ちゃんが上から目線でタクシー論を語る世界だ。尊敬出来るタクシー関係者なんてほんの一部だよ。

これらはあくまで評論の「理由」として、そして成り行き上でしょう。論旨は「多人数」による同調圧と反論できない空気にあります。そのことへの異論と反論、評論です。

そしてなぜ個人タクシー限定か、というと、「タクシー運転手に代表されるもの」と「実在するもの」だからです。このことが重要で、実在するから利用者に対する誹謗中傷やヘイトがリアルになってくる。その先には実存する人、傷つく人の存在が具現化するからだと考えています。

A市のBタクシー(個人)が「今朝のクソ客」と書くのと、東京のタクシー運転手アカウントが「今朝のクソ客」と書くのとは、質量に差が出ます。それは現実味を帯びて「今朝の客」を傷つけるということなのです。

仲村さんは悪なのか

仲村さんのツイートには「そうだよね」と感じられる正しいことが多いです。

ただ、氏が使う「貴様」という言葉への嫌悪感を多くの人が抱いているようです。そして「貴様とはなんだ」となり「上から目線」はけしからん、と定型化していました。

それから「タクシー運転手の経験もないくせに」というトーンポリッシングにより論点自体が毀損されれる、というパターンになっています。

結果的に仲村さんという虚構のキャラに実在性を持たせ攻撃されてしまう。この実在と虚構の違い(それは法人タクシーと個人タクシーのツイートの差異でもありますが)こそが、対仲村氏との対話における齟齬の原因だと思われます。(だって中村さんはあくまでキャラなんだし)

それでも仲村さんは「貴様」「お前」「あんた」を正確に使い分けています。決して全ての人に「貴様」を使っているわけではありません。

その例としてボクの初めてのツイートでは「あんた」を使っています。

タクシー品質向上委員会、仲村さんのツイート

仲村さんのファンもいるはずです。ただ、出てこれない。間違ってはいないのだけれど、その「貴様」で嫌われてしまった仲村さんは、ちょうどいじめられっ子のようにも感じます。そしていじめに加担してしまう人も出てくるような…。

虐められていたのか

仲村さんは「新年の宴 実行委員会」直前はアカウント名「虐め被害の会」を名乗っていました。

そして「組織票で」や「集団で」という言葉を使っていたのです。理由は、前項のような部外者(「貴様」と言語化されたアカウント)からいきなり殴りつけられたからです。

勝ち馬に乗り、そして通りすがり的に汚い言葉を投げかける。その汚い言葉は、氏のツイートの論旨についてではありません。例えば、「みんなが攻撃しているから」そう感じられるものもありました。そのことが「虐め」で「組織的」だと言っているのです。そしてそれはまさしく「虐めの構造」なのです。

個人タクシーだけを評論する理由

個人タクシーの人たち、そして仲村さんがランク付けしていた人たちは「素顔と商号」を出してSNS上で発言しています。

「素顔と商号」のないアカウントという虚構の人たち(ほとんどの法人タクシーのアカウントがそうです)は除外されたのです。これが実在と虚構、個人と法人の違いで、実在するものに対して評論する、ということなのです。そして実存するからこそ責任がある、ということなのです。

そして実在を目標とし、自らの虚構性を際立たせるということは、戦略的に間違ってはいません。

(このことはネットコミュニケーションの本懐だったりするのですが、TwitterというSNSでは実在性が強まってきて、特にタクシー業界という狭いコミュニケーションの中では「素顔と商号」という実在を明らかにしながら虚構性の中で発言していた、ということ、パラドックス的なことが起きていたのだと考えられます)

個人事業主として

「素顔と商号」を出すということは、発言が実話になります。いえ嘘をツイートしているということではなく、発言に重量が増すということです。そしてその実話の向こうには相手も実在かします。上述の本当に傷つく人が出てくるということです。

そして実在だから問題視されることもあります。例えば、コンビニの経営者が店舗名を出して民族差別や利用者の誹謗中傷は書きません。書いたとしたら問題になるはずです。

そうして最近では中華まんの張り紙が問題視され炎上しました。心ない表現で多くの人が傷ついたのです。これが中村さんの言いたいことなのです。

中華まん「外国人のお役様へ『これ』禁止『肉まんください』と言って。

ローソン店舗で差別的な張り紙「外国人のお客様へ『これ』禁止」物議 運営元「言葉足らずだった」(ねとらぼ) – Yahoo!ニュース

同じような内容、いえ、もっと酷いことをツイートしている個人タクシーの人もいるわけです。

コンビニも個人タクシーも同じ個人事業主ではないのですか。違うのでしょうか?この事件は事業主が書いたのなら、もっと問題です。もっと問題な発言を事業主である個人タクシーがしてはいませんか?ということなのです。

このような差別的なことに同調圧がかかる傾向にあります。次に、抑止力が効かなくなります。そして、排他的になったタクシーという狭いコミュニティへの異論と反論、それが仲村さんだと、ボクは感じています。

実在と虚構

ボクは、例えば、(影響力のない)実在しない人たちが間違ったことを言うことはある程度許容されても良いのではないかと考えています。

許容されても良い理由は「間違い」を知らないこともあるからです。それはボクも同じです。そして「間違い」と判断できないこともあります。

ただし、影響力のある人やリーダーたる人たちは、時には「貴様」と言われても仕方ないと思います。公益ということを考えると批判の対象になります。タクシーという業界に10年以上いるプロ中のプロである個人タクシーのレベルを問題視するというのは理にかなっているのではないでしょうか?

以上のようなことを踏まえ、「素顔と商号」(=実在)を出している個人タクシー、だから仲村さんが個人タクシーと限定しているのです。そして間違っていると思うことに対して「貴様」となっているのです。

被害者の実在

前項に書いた通り、コンビニという実在と個人タクシーという実在、その実在というリアルは、批判や誹謗中傷の先に利用者という実在も存在するわけです。要するに傷つく人がいる、ということです。その事実(リアリティ)も問題です。

タクシーという広い世界で「今朝の利用者は」と書くのと、個人タクシーという限定され実在する個人が「今朝の利用者は」と書くのは、多いに意味が違ってくる、ということなのです。

タクシー品質向上委員会への期待

結局、仲村さんという虚構、キャラクターについて議論したり批判するのは、ほとんど意味がないことなのです。だって、仲村さんはSNS上に創られたキャラだからです。

その証拠に一度消えました。

確信犯的に楽しんでいる、のです。そのキャラにリアリティを求めて、「童貞だろう」とか「結婚したことあるのか」とかの怒りを露わにすることこそ無駄なのです。

と、とりとめもなく書きましたが、仲村さん(という虚構)の出現を期待していた人もいるはずです。ボクもその一人です。そして、実は仲村さんのファンでもあります。

こんな世の中だから、決して同調圧力に負けて同じ方向に歩くのではなく、少し立ち止まって「本当に正しいことなのか」と、考えることは必要なことです。

浮遊するもの

仲村さん(的な人)は、思考が狭窄的になっています。そして一方向に進みがちな圧力下の場所には必要なのです。今のように軍靴の音が聞こえている時だからこそ必要なのだろうと考えいるんです。じゃないと、言ったもん勝ちになっていると思うんですが…。

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